結論
ホームページの維持費は、構成しだいでは固定費が月1,000円前後まで下がるケースもあります。相場が月1万〜3万円と言われるのは、その大半が「保守管理費」という人件費だからです。ただし何が削れるかはサイトの作りと契約によって変わります。まず請求書を開いて、何に対する料金かを分けるところから始めてください。

うちは何も更新していないのに、毎月1万5千円の保守費を引かれています。これって普通なんでしょうか。
正直に申し上げると、金額そのものは相場から外れていません。とはいえ「相場だから妥当」とは限らないんです。その1万5千円のうち、サーバー代とドメイン代は千円台で、残りは全部「人が動くための費用」ということが珍しくありません。動いていないなら、そこは見直せます。

富山で中小企業のホームページを作っていると、この相談を本当によく受けます。数年前に作ったきり更新していない。管理画面のログイン情報も分からない。

それでも毎月きっちり引き落とされている。何に払っているのか誰も説明できない、という状態です。

この記事では、ホームページの維持費の相場を費目ごとに分解し、あなたの請求書のどこが削れて、どこが削れないのかを判断できるところまでご案内します。

この記事の数字について
金額は2026年9月時点で各社が公開している公式料金表と、実在する保守契約の約款をもとにしています。あわせて、経営者や制作者がX・note等に公開している保守費に関する投稿を集め、傾向を分類したうえで引用しました。

宣伝を主目的にした記事にはしません。弊社は静的サイトへの載せ替えを手がけているので、比較の材料として自社の料金や実測値も隠さず出しますが、そのやり方が向かない会社もはっきり書きます。

この記事でわかること
  • ホームページの維持費の相場が月1万〜3万円と言われる本当の理由
  • サーバー代・ドメイン代・SSLの実際の価格と、これ以上は削れない下限
  • 飲食店・個人事業主・ネットショップで維持費がここまで変わる理由
  • 「何もしない保守費」を見分けるために請求書と契約書のどこを見るか
  • 保守契約を解約する前に確認しないと詰む3つのこと
  • 外注せずに自社で維持費を下げる手順と、向かない会社の見分け方

ホームページの維持費の相場と内訳

ドメインを「必ず要る」、サーバーとSSLを「構成次第」、保守運用と更新を「作業量」に振り分けた費用分類の図

結局のところ、毎月いくらが普通なんですか。
外注しているなら月1万〜3万円が最も多い価格帯です。ただ、この金額の内訳を見ると、大半は一つの費目に偏っています。

総額の相場から、費目ごとに分解しましょう。数字はすべて出典と基準時点つき。

ホームページの維持費の相場は月いくらか

外注している一般的な企業サイトで月1万〜3万円程度が最も多い価格帯です。自社で管理していれば月1,000円前後まで下がり、EC・会員制になると月5万円以上になることもあります。

なぜここまで幅が出るのか。答えは単純で、幅の大半は「誰が作業するか」で決まるからです。

維持費の幅が生まれる理由
  • サーバー代やドメイン代のような固定費は、どの会社が契約してもほとんど変わらない
  • 変わるのは人が動く部分だけ

サーバー代が月5000円は相場として妥当か

エックスサーバーのスタンダードプランは、36か月契約で月額693円、12か月契約で月額990円、3か月契約で月額1,320円です。契約期間が長いほど月額換算は下がる一方、一括前払い額は増えます(出典: エックスサーバー )。

一般的な会社案内や店舗サイトであれば、この価格帯で足ります。

では月5,000円はどうでしょうか。同社の上位プランは月額3,762〜11,286円、物理専用サーバーになると月額29,700円から。高トラフィックや専用リソースを要する場合の価格帯であり、通常の店舗サイトや会社案内サイトに必須とは限りません。

判断は金額ではなく内訳で
とはいえ、月5,000円という請求そのものが不当だという話ではありません。問題は金額の高低ではなく、内訳が説明できるかどうか。純粋なサーバー代か、保守費込みか、手数料が乗っているのか——ここが分かれていない請求書は、そもそも他社と比較できません。

ドメイン代とSSLは年いくらかかるか

ドメインは年単位の費用です。エックスサーバーの場合、.comの更新料が年額1,721円、ローマ字.jpが年額3,102円、.co.jpが年額4,136円となっています(出典: エックスサーバードメイン )。

相場としては、.comが年額1,400〜2,000円程度、.jpが3,100〜3,800円程度、.co.jpが4,000〜6,000円程度(出典: バリュードメイン )。

事業者による差もあります。同じ.co.jpでも、エックスサーバー4,136円に対してさくらのドメインは7,700円(出典: さくらのドメイン )。

比べるべきは取得費ではなく更新費と移管費
初年度が無料や割引でも、更新時に通常価格が発生する形は珍しくありません。見積もりを比べるときは、初年度価格ではなく更新価格を並べてください。

SSLについては、多くの場合で無料のもので足ります。Let’s Encryptは無料のドメイン認証型証明書を提供しており、会社案内・店舗サイト・問い合わせフォーム程度であれば十分です(出典: Let’s Encrypt )。

有料のSSLを検討するのはどんな時か
  • 入札や親会社の指定で、証明書に会社名を入れるよう求められている(組織認証・OVやEVと呼ばれるもの)
  • 複数のドメインをまとめて運用していて、無料SSLの自動更新がうまくいかない

「有料だから通信の暗号が強い」わけではありません。違うのは暗号ではなく、証明書に何を証明させるかです。SSL化そのものの詳しい話は、別の記事にまとめています。

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保守費と更新費は何が違い月いくらか

保守(壊さず保つ)・運用(改善を回す)・更新(情報を変える)の3つの仕事と作業内容を3列で並べた図

用語を整理させてください。制作会社によって呼び方が混ざるため、名称ではなく作業範囲で判断する必要があります。

用語 何をする仕事か 含まれやすい作業
保守 サイトを壊さず、止めず、安全に使える状態に保つ 本体・プラグイン更新、脆弱性対応、バックアップ、復旧、死活監視、期限管理
運用 目的達成のために継続的に使い、改善する アクセス解析、SEO施策、コンテンツ企画、導線改善、広告・SNS連携
更新 表示する情報やソフトウェアを新しくする 営業時間・料金・お知らせ・画像の差し替え、CMSのアップデート

(出典: リヒトス )

金額の目安は作業範囲で3段階に分かれます。

作業範囲 月額の目安
本体・プラグイン更新+簡易バックアップ程度 5,000〜10,000円
更新・バックアップ・簡易監視・脆弱性対応まで 10,000〜30,000円
セキュリティ、障害対応、アクセス解析、改善提案まで 30,000〜50,000円

(出典: WP KEEPER )

実際に公開されている料金例では、月額8,800円、19,800円、30,800円といった段階設定が確認できます(出典: High Five Create )。

料金表で必ず確認すること
見落とされがちなのが、月額に含まれる作業時間です。同じ2万円でも、月4時間の更新が含まれるのか、作業は都度見積もりなのかで中身はまったく違います。時間の上限と超過時の単価が書かれているかを必ず確認してください。

維持費の相場は誰が運用するかで決まる

冒頭でお伝えした「幅」の正体がここです。

運用体制 月額の目安 費用の考え方
自社で運用 約700〜6,000円+社内工数 共有サーバーとドメイン更新費が中心。無料SSL前提。担当者の作業時間は別途発生
一部外注 約10,000〜30,000円+サーバー・ドメイン サーバーとドメインは自社契約。CMS更新、バックアップ、月数回の更新を外注
全部外注 約20,000〜50,000円 更新、監視、バックアップ、脆弱性対応、障害一次対応、問い合わせ窓口を委託
集客込み 約30,000〜100,000円超+広告費 保守に加えて分析、SEO改善、コンテンツ提案、広告運用、レポーティング

(出典: WP KEEPER )

固定費の差は数千円なのに、総額は10倍以上変わります。つまり維持費とは、ほぼ人件費のこと。

なお「集客込み」の価格帯になると、名称は保守でも実態はWebマーケティング支援です。保守を削る話と、集客投資を削る話は分けて考えたほうがいいでしょう。

維持費のうち必ず要る費用と削れる費用

必須の固定費(ドメイン代)・構成で変わる費用(サーバー代)・作業で変わる費用(人件費)をピラミッド状に積んだ図

ここまでの数字を、性質で分け直します。

費目を3つに仕分ける
  • 必ず要る費用:独自ドメインの更新費。.comなら年1,721円で、月あたり約143円
  • 構成で要否が変わる費用:サーバー代、SSL費用
  • 作業量で変わる費用:保守管理費、更新費、集客支援費

無料枠のある配信サービスに載せられる構成であれば、事業を続ける限り必要になるのは実質的にドメイン代だけになります。WordPressのようにサーバーが必要な構成なら、そこにサーバー代が加わる形。

もちろん、削れる費用がすべて無駄という意味ではありません。作業が実際に行われているなら、それは対価です。問題になるのは、作業が発生していないのに定額が続いている場合だけ。

まとめ

維持費の相場は人件費で決まる

  • 外注している企業サイトの中心価格帯は月1万〜3万円
  • 固定費(サーバー・ドメイン・SSL)は月1,000円前後まで下げられる
  • 総額の差の大半は「誰がどれだけ作業するか」

ここまでは平均の話でした。実際には、同じ規模のサイトでも業種が違えば必要な保守はまったく変わります。

業種とサイト規模で維持費の相場はどう変わるか

店舗・個人が月5千〜2万、予約サイトが月1万〜5万、ネット店舗が月5万以上と、業種別に保守費の目安を横軸で並べた図

うちは小さな飲食店なんですが、他の業種と同じ料金を提示されました。
そこは分けて考えるべきところです。保守費が上がるかどうかは、サイトの見た目ではなく「壊れたときに何が止まるか」で決まります。

ここからは業種ごとの目安。あわせて、後半でお話しする方法が通用しない領域も先にはっきりさせておきましょう。

飲食店や小さな店舗は月いくらが目安か

自社更新なら固定費は月数百円から数千円台に工数。外注保守なら月5,000〜20,000円程度が目安です(出典: WP KEEPER )。

会社案内・店舗案内が中心なら、維持費は最も下げやすい層といえます。ページ数が少なく、扱う情報も限られるためです。

費用が上がりやすい要素
  • メニュー変更、営業時間の差し替え、イベント告知
  • 予約導線、複数店舗の管理
  • Googleビジネスプロフィールとの連携

これらを毎回外注するなら、その人件費が維持費の中心になります。

つまり飲食店の維持費は、サイトの規模ではなく更新の頻度で決まると考えたほうが実態に近いでしょう。

個人事業主が外注すると月いくらか

月5,000〜10,000円程度からが目安です(出典: WP KEEPER )。

分岐点はブログや実績の更新があるかどうか。士業やフリーランスの場合、実務のパターンは大きく2つに分かれます。

更新の有無で月額はこう変わる
  • 更新をほとんどしない:更新代行を外せば、サーバー代とドメイン代の月1,000円前後まで落ちます。年に数回の修正は都度払いのほうが安く済むことが多いところ
  • 月1〜2本のブログや実績を追加する:更新代行込みで月5,000〜10,000円程度。ここに集客の分析やSEOを足すと、一段上の価格帯になります

最初から集客込みのプランを契約して、結局サイトを触らないまま年数が過ぎるのが、最も損失の大きいパターンです。必要になってから足す設計のほうが、合理的でしょう。

予約やネットショップで維持費が上がる理由

予約や決済の機能がないサイトの方は、この節は読み飛ばして構いません。次の節から本題に戻ります。

ネットショップは月50,000円以上になる場合があり、プラットフォーム利用料や決済手数料は別途。予約機能付きサイトは月10,000〜50,000円超が目安です。会員制やマッチングなど独自システムを持つ場合も月50,000円以上を見込む必要があります(出典: WordPress保守サービス比較(kop.co.jp) )。

上がる理由は主に3つ。

  • 売上が直接止まる。更新や不具合で決済・在庫・予約が壊れると、営業時間外でも注文が入らなくなります。だから本番反映前の検証と、時間外の復旧体制が要る
  • 個人情報の管理水準が上がる。顧客名、住所、予約履歴、決済関連情報を扱うため、アクセス権限やログ、脆弱性対応の重要度が変わります
  • 外部サービス連携の仕様変更に追随する必要がある。決済代行、配送、会計、予約カレンダーとのつなぎ込みは、相手側の変更に合わせて直し続ける作業が発生します
この記事の後半でお話しする「保守費0円」は、この領域には当てはまりません。決済や会員データベースを持つサイトで保守を切るのは、単なるコスト削減ではなく事業リスクです。

ホームページ作成ツールに移せば維持費は下がるか

ペライチ(非公開)・Wix(無料URL)・ジンドゥー(要確認)・BASE(条件確認)と、解約後にサイトがどうなるかを並べた表

現実的な選択肢なので、公平に扱います。

サービス 月額の目安 独自ドメイン 解約するとどうなるか
ペライチ 1,628〜7,678円(税込) ライト以上で対応 有料解約でフリープランになると独自ドメインが使えず、対象ページは非公開
Wix 月2,000円台〜(Light $17〜Business Elite $159・年払い前提の米ドル表示) プランにより付帯 プラン終了後はサイトが無料URLに戻る
ジンドゥー 1,320円〜 次回更新から月165円 契約条件は管理画面とヘルプで要確認
BASE 0円(スタンダード)/19,980円(グロース) 設定条件の確認が必要 決済手数料3.6%+40円、サービス利用料3%が別途

(出典: ペライチ /Wix /ジンドゥー /BASE )

固定費だけ見れば安く見えます。ただし注意したいのは解約時の扱いです。ペライチは有料プランを解約すると独自ドメインが使えなくなり、対象ページは非公開になるという案内があります(出典: ペライチサポート )。

Wixもプラン終了後はサイトが無料URLに戻る扱い(出典: Wix )。

つまり作成ツールは「月額を払い続けている間だけサイトが存在する」構造。これは良し悪しではなく性質の違いです。判断軸はシンプルで、更新頻度が高く自社で触りたいならツール。更新しないなら、月額を払い続ける理由が薄くなります。
まとめ

保守費は「止まったときの損害」で決まる

  • 店舗・個人事業主は月5,000〜20,000円程度が目安
  • EC・予約・会員制は月50,000円以上になりうる
  • 作成ツールは手軽だが、解約するとページが非公開になる

ここまでで、あなたのサイトがどのあたりに位置するかは見えたはずです。問題は、その金額が妥当かどうかの判断でしょう。

ホームページの維持費が相場より高い時の見直し方

請求書と契約書を見て「作業はあるか」で分岐し、あれば適正・なければ構成を変えると判断するフロー図

相場の範囲内ではあるけど、納得はしていない。この場合どうすれば。
相場と比べるのをやめて、「何に対する料金か」で比べてください。同じ2万円でも、月4時間の更新作業が含まれる2万円と、何も作業がない2万円は別物です。

維持費が相場より高くなる2つの原因

一つ目は、まるごとお任せにしていること。サーバーもドメインも制作会社契約になっていると、実費と手数料の区別がつきません。

二つ目は、WordPressの保守コストが読めないこと。本体やプラグインの更新は止められない一方、その作業量は月ごとに変わります。結果として定額に均され、何もない月も同じ金額が請求されるところ。

この構図は、制作者側からも指摘されています。

ホームページの「月額保守費」、何に払っているか説明できますか? サーバー代・更新代行・なんとなくの管理費… 中身がわからないまま月1〜2万円払い続けている方、実は多いです。

(出典: LuminousSite の投稿 )

ある制作会社が相談を受けた事例では、月5万円の保守費の内訳が「バックアップ」「サーバー管理」「軽微な修正」と記載されていたものの、確認するとバックアップは月1回、サーバー管理はほとんど稼働なし、修正依頼は年に数回だったといいます(出典: withstyle-web.com )。

更新しないサイトに保守費を払っていないか

WordPress・CMSという更新の仕組みに毎月お金を注ぎ込む一方、サイト更新は行われず「待機料」が発生している構図の図

保守費とは、突き詰めれば「更新できる仕組みを、安全に維持するための費用」です。WordPressは更新を前提にした仕組みなので、本体やプラグインを最新に保つ作業が発生し続けます。

正直に作る側の本音を言えば、保守費には「WordPressの本体やプラグインの更新で万が一トラブルが起きたとき、復旧や修正にかかる工数に備えるお金」という側面があります。制作者としては不測の事態に備えるための費用なのですが、何もトラブルが起きなければお客様にとっては無駄に見えて当然のお金です。

また、これはWordPressだけの問題でもありません。「普通のHTMLで作られたサイトなのに、毎月高額な保守費用が引き落とされている」という相談を受けたこともあります。更新がほとんどないサイトに対して、何に充てられているか分からない固定費が発生し続ける構図は、CMSかHTMLかを問わず現場でよく見られます。

では、その更新を年に一度もしていない会社は、何のために維持費を払っているのか。

更新するための仕組みを維持するために、更新していないサイトの費用を払い続けている。

これが多くの中小企業で起きている構図です。

ある制作者は、整骨院の院長から次のような相談を受けたと書いています。開業から7年、同じ制作会社にホームページを任せ、月々2万5千円の保守費を払い続けてきたが、何をしてもらっているのか正直よくわからない、という状態でした。

(出典: note.com )

7年で計算すると210万円。この金額に見合う作業があったのなら問題ありません。

無かったのなら、その7年間は仕組みと使い方が噛み合っていなかった可能性があります。過去を責める話ではなく、次の1年をどうするかの話です。

矛盾に気づいたら選択肢は二つ
  • 更新する運用に戻す
  • 更新を前提としない仕組みに変える

払いすぎを見分けるチェックリスト

作業報告・内訳説明・実費か・時間上限・更新頻度・作業実績の6項目それぞれで、答えがNOだと何を意味するかを対応させたチェック図

請求書と契約書で次を確認してください。答えが「いいえ」なら、その右側が意味するところです。

  • 毎月の作業報告があるか → 無ければ、稼働の実態を確認できる材料がありません
  • 料金が何に対するものか、担当者が説明できるか → 説明できないなら、そもそも見積もりの根拠がない状態
  • サーバー代・ドメイン代が実費か、手数料込みか → 分かれていないと他社と比較できません
  • 月何時間まで作業が含まれ、超過時の単価はいくらか → 未定義だと、依頼するたびに請求が読めない
  • 更新頻度に対して月額契約が妥当か → 年数回の依頼なら、都度払いのほうが安い可能性
  • 直近1年で、実際に依頼した作業は何件あったか → ゼロなら、払っているのは待機料です

最後の項目が最も分かりやすい指標でしょう。一つでも答えられない項目があれば、まず制作会社に質問するところから。

自社で維持費を下げる3つのステップ

外注を切り替えなくても、契約の持ち方を変えるだけで下がる部分があります。

  • 名義を確認する:サーバーとドメインが誰の契約になっているかを調べます。制作会社名義なら、自社名義への変更を依頼するところから
  • サーバーとドメインを自社で直接契約する:実費が見えるようになり、手数料の上乗せが無くなります。共有サーバーなら月700〜1,300円程度、ドメインは年1,700円前後
  • 更新のうち、自分でできる範囲を決める:営業時間やお知らせの差し替え程度なら、CMSの管理画面で完結することがほとんど。残りだけを都度払いで依頼する形に切り替えます

この3つだけで、月1万5千円の保守費が月1,000円台の実費+年数回のスポット費用になるケースがあります。静的化のような作り替えをしなくても、まずここから試せます。

保守契約を見直す前に確認する3つのこと

1解約予告期間・2ドメイン名義・3データ権利という、解約前に確認する3ステップを階段状に並べた図

見直しを決めても、いきなり解約を伝えるのは避けたいところです。順番があります。

一つ目、契約期間と解約予告。 実在する保守契約の約款では、1年契約で満了の1か月前までに申し出がなければ自動的に1年更新、という形が見られます(出典: 藤沢ウェブ 保守委託契約約款 )。最低契約期間を3か月とする公開サービス例もあります(出典: blanc )。

一律のルールはありません
保守契約の期間や解約予告に、業種横断の決まりがあるわけではありません。実務上は契約書と個別見積書の記載が判断の基準になります。条項の解釈で争いになりそうなときは、自己判断せず弁護士や自治体の無料法律相談を利用してください。

二つ目、サーバーとドメインの名義。 ここが最も重要です。

gatsu0000 Xの投稿より
HP作るなら、ドメインだけは自社名義で取得した方がいい HPを解約したらドメインを渡してもらえなかった・・・ って話、実際に起こってる 制作会社にコンパネを渡すのはOK でも、ドメイン取得は自社名義で行った方がいい
Xで元の投稿を見る

私が移行の相談を受けたとき、最初に確認するのはデザインでも原稿でもなく、ドメインの登録者名です。ご本人は自社で取ったつもりでも、実際は前の制作会社が代行で取得していて、名義が向こうのままというケースが珍しくないからです。

ここが自社名義なら、手続きに時間はかかっても選択肢は自分の側に残ります。逆に制作会社名義のままだと、交渉のカードを相手が持っている状態から始まります。登録者名の確認は、JPドメインならJPRSのWHOISから。

移管には日数と条件があるため、解約日から逆算して2か月ほど見ておくと安全です(出典: JPRS )。

三つ目、テキスト・写真・デザインの権利範囲。 料金を払ったから当然すべて自社のもの、とは限りません。契約書で次を分けて確認してください。

  • テキストの著作権と、改変・再利用の許諾範囲
  • 写真・動画の権利(ストック素材はサイト移転後も継続利用できるか)
  • デザインデータや元ファイルの引き渡し条件
  • 有料テーマやプラグインのライセンス名義

ライセンスが制作会社名義だと、引き継いだ後に更新やサポートを受けられない場合があります。購入アカウントと更新権限がどちらにあるかは、見落とされやすいところ。

これは特定の会社を批判する話ではなく、業界の商習慣としてこうなっているという構造の説明です。なお著作権の帰属や利用許諾の範囲は契約書の文言と実態で決まります。判断に迷う場合は、契約書を添えて弁護士や著作権相談窓口に確認してください。「著作権があるから解約できない」と言われた場合の法的な整理と安全な乗り換え手順は、ホームページの著作権トラブルと対処法 で詳しく解説しています。

静的サイトに載せ替えると維持費はどう変わるか

WPサイトは保守費+サーバー+ドメイン、静的サイトは保守費がなくサーバー+ドメインだけ、と費目の積み上げを左右で対比した図

更新を前提としない仕組みの一つが、静的サイトです。

静的サイトとは
ページをあらかじめHTMLとして作っておき、そのまま配信する仕組み。データベースも更新プログラムもないため、「本体やプラグインを最新に保つ作業」自体が発生しません。保守という費目が消えるのはこのためです。

配信先にはCloudflare Pagesのような選択肢があります。静的アセットへのリクエストは無料・無制限と案内されており(出典: Cloudflare Pages Functions 料金 )、無料プランでもビルドは月500回まで、ビルド時間は1回20分までです(出典: Cloudflare Pages 制限 )。

ただし条件があります。無料プランの同時ビルドは1件のため、複数人が同時に更新する組織では待ちが発生します。

次のような機能は、外部サービスやサーバー処理を足さないと実現できません。足す場合は静的サイトの維持費ではなく、組み合わせたシステム運用費として比較してください。

静的ファイルの配信だけでは実現できないもの
  • ログイン、会員登録、権限別のページ表示
  • マイページ、購入履歴、ポイント、継続課金の管理
  • リアルタイム在庫、カート、注文処理、決済、配送連携
  • 空き枠をリアルタイムに反映する予約と、その変更・取消
  • 管理画面から誰でも記事や商品を追加するCMS機能
無料枠の内容は提供元の判断で変更されることがあります。2026年9月時点の条件である点はご承知おきください。

移行そのものは、以前より現実的になりました。20年使ったWordPressから正味2日で静的サイトへ移行し、PageSpeed Insightsが全項目100点になったという報告(出典: note.com )や、Hugoへの移行を約2時間で完了しWordPressの脆弱性対応から解放されたという声がXに投稿されています。

維持費と表示速度は無関係ではありません。作家様のブランドサイト「繋がる花文字」様を静的に載せ替えた例では、表示開始が8.3秒から0.8秒になりました。また弊社自社サイトでも、WordPressから静的HTMLへ移行し、Cloudflareの無料プランを活用することでレンタルサーバーを解約してサーバー代0円を実現しました。残る固定費はドメイン代のみとなり、PageSpeedスコアも53点から100点(2026年8月計測)へと大幅に改善しています。速さの話をしたいのではなく、毎月払っている費用が何を維持しているのかは、金額とは別に確認する価値がある、ということです。

実測データを見る
改善・移行実績
WordPressから静的HTMLへの載せ替え、PageSpeedスコア改善(57点→100点・0.8秒表示)の実測データと具体的な改善プロセスをご紹介します。
ページを見る →

WordPressをやめて軽い仕組みへ載せ替える判断基準や手順は、以下の記事で詳しく解説しています。

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載せ替えた後もお知らせやブログは更新できるか

更新はできます。ただし管理画面から自分で投稿する形ではなく、原稿を渡して反映してもらうか、更新の仕組みを別に用意するかになります。

そして重要な点として、記事作成や更新を依頼するなら、それは別料金です。弊社の場合、システムの保守費は0円ですが、ブログ運用サポートは月1.5万〜3万円(税抜)。

ここを曖昧にしたまま「0円」とだけ言うのは不誠実だと考えています。

2つの費用を混ぜない
システムを維持する費用と、コンテンツを作る費用は別。逆に言えば、更新を外注しないなら、かかり続けるのはドメインの更新費(.comで年1,700円前後)だけという状態にできます。システム保守という費目は消えますが、配信サービスの無料枠の条件は変更されることがあるため、年に一度は確認しておくのが安全です。

保守を続けたほうがいい4つのケース

向かない会社をはっきり挙げます。

この見直しが合わない会社
  • 週に1回以上お知らせやブログを更新している
  • 予約・会員・EC機能がある、または今後入れる予定がある
  • 社内に更新担当者がいて、自分で管理画面を触りたい
  • Web担当が不在で、何かあったときの相談窓口が必要

とくに最後の項目は見落とされがちです。保守費には「困ったときに聞ける相手がいる」という価値も含まれています。

月1万円の保守費を削っても、トラブル時に誰にも相談できず数日サイトが止まるなら、削減にはなりません。それを不要と判断できる会社にだけ、この選択肢は合います。

保守費を止める前に決めておくこと

削ってはいけない費用の話ではなく、引き継ぎ先を決める話です。

  • バックアップは誰がいつ取るのか
  • ドメインの更新期限を誰が管理するのか
  • フォームの不具合や表示崩れが起きたとき、どこに連絡するのか
  • 独自ドメインのメールをどう移すのか

とくにドメインの更新期限は要注意。失効するとサイトも独自ドメインのメールも同時に使えなくなります。

そしてもう一つ、契約そのものの確認を。

nm54_web Xの投稿より
ホームページに毎月高額な保守費を払っている人は、乗り換えを検討した方がいい。不思議なもので、保守費用とサービス内容は比例しません。浮いたお金で売上アップにつながる広告を打ちましょう!ただし、保守を切るとサイト自体が使えなくなる契約もあるので、そこだけは要注意。
Xで元の投稿を見る

保守を切るとサイト自体が使えなくなる契約がある、という指摘はそのとおりです。作成ツール型のサービスがまさにこれに当たりますし、制作会社の独自システムで作られている場合も同様の構造になります。

リース契約が絡む場合は特に注意
契約形態がリースになっている場合はさらに複雑です。制作会社が倒産し、サイトのデータもドメインも引き渡されないまま、リース会社への月2万円の支払いだけが残ったという事例が報告されています(出典: synergate.co.jp )。どの契約でも同じ結果になるとは限りませんが、リースや割賦が絡む場合は解約の可否を自己判断せず、契約書を持って弁護士や地域の中小企業支援窓口に相談してください。

止める判断には責任が伴います。ここを空白にしたまま解約すると、数千円を削って数十万円の機会損失を作ることになりかねません。

維持費の見直しは何ヶ月で元が取れるか

現状の維持費と移行費用の2本の線が交わる「回収月」を、経過月数を横軸にした損益分岐グラフで示した図

判断は簡単な計算でできます。現在の月額保守費に12を掛けて年額を出す。

それを見直しにかかる費用と並べて、何か月で並ぶかを見る。それだけです。

例えば載せ替えに15万円かかるとすれば、月1.5万円を払っている会社なら10か月ほどで並ぶ計算。月2万円なら7〜8か月です。金額は依頼先で変わるので、見積もりを取って同じ式に入れてみてください。

弊社の場合の金額
載せ替えプランは15万円(税抜)からで、ページ数や機能によって22万円・30万円のプランになります。22万円なら約15か月。実際の見積額でご自身の計算をしてみてください。

実際に移行した例では、月2万円・年24万円を払っていた店舗オーナーが、レンタルサーバー代とドメイン代だけの年間2万円を下回る水準に下がったという報告もあります(出典: tobanjan.jp )。この例は旧制作会社が移管に協力したケースです。協力が得られない場合は同じ結果にならないことがあります。

移行しないほうが得なケース
  • 現在の月額が数千円以内に収まっている場合。削減幅が小さく、移行費用の回収に何年もかかります
  • 2年以内に全面リニューアルの予定がある場合。どのみち作り直すなら、今動く意味は薄いでしょう

この2つに当てはまるなら、今のまま続けるほうが合理的です。計算して合わないなら、やらないという判断が正解になります。

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まとめ

見直しは「解約」から始めない

  • まず請求書で、何に対する料金かを分ける
  • 契約期間・名義・権利範囲を確認してから動く
  • 静的化は選択肢の一つで、向かない会社もはっきりある

ホームページの維持費と相場に関するよくある質問

Q
ホームページの維持費は必ずかかるものですか。
▼
A
最低限、独自ドメインの更新費は必要です。.comなら年額1,700円前後が目安。サーバー代や保守費は構成しだいで、かからない形にすることもできます。
Q
サーバーの維持費が月5,000円と言われましたが相場でしょうか。
▼
A
一般的な共有サーバーは月700円から1,300円程度が中心です。月5,000円は上位プランの領域なので、何が含まれているかを確認してください。純粋なサーバー代なのか、保守費込みなのかで評価が変わります。
Q
制作費と維持管理費は、それぞれいくらが目安ですか。
▼
A
維持管理費は月1,000円から3万円が中心です。初期の制作費は制作範囲によって数十万円から数百万円と桁が変わり、決まり方が維持費とはまったく別のため本記事では扱いません。別途お見積もりで確認してください。
Q
保守契約書のどこを見れば何の料金か分かりますか。
▼
A
作業範囲、対応頻度、報告義務の3つです。月何時間まで含むか、超過時の単価、緊急対応の時間帯が書かれているかを見てください。書かれていない場合は、書面で確認を求めるのが安全です。
Q
今の制作会社にドメインやサーバーを管理されていても移行できますか。
▼
A
可能です。ドメインは登録者名義を確認し、認証コードを取得して移管します。日数と条件があるため、解約日から2か月ほど逆算して動くと安全です。名義が制作会社になっている場合は、まず名義変更の可否を確認してください。
Q
保守契約を解約したらホームページは消えてしまいますか。
▼
A
契約内容によります。ドメインとサーバーが自社名義なら残ります。制作会社名義の場合や、作成ツールの有料プランを解約した場合は非公開になることも。契約書のデータ引き渡し条項を確認してください。
Q
維持費を下げると検索順位に影響しますか。
▼
A
維持費の金額そのものが順位を決めることはありません。順位は多くの要素で決まるため、維持費の見直しは順位対策ではなく、費用と作業内容が釣り合っているかの問題としてお考えください。
Q
補助金でホームページの費用はまかなえますか。
▼
A
小規模事業者持続化補助金には、ウェブサイト関連費という区分があります。ただし単独申請ができない、補助金交付申請額に対する上限が定められているなど条件があり、制度は年度で変わります。必ず最新の公募要領でご確認ください。

ホームページの維持費の相場を知った後に何をするか

相場と自社の請求書を、並べて見比べてください。

月1万〜3万円という数字は、外注している企業サイトとしては珍しくありません。とはいえ「相場の範囲内だから妥当」ではなく、「その金額に見合う作業が実際に行われているか」が判断の軸です。

固定費と作業費を分ける。作業がないなら、その部分は見直せます。 名義を自社に戻してサーバーを直接契約するだけでも、月額は下がります。

一方で、更新頻度が高い会社、EC・予約機能がある会社、社内に担当者がいる会社は、保守を続けたほうが合理的です。すべての会社に同じ答えはありません。

富山のように、対面で相談できる相手が近くにいる商圏なら、契約書を持って一度話を聞いてもらうのも手でしょう。富山県内でのホームページ制作相場や制作パートナーの選び方は、以下の記事にまとめています。

富山でWebサイト制作の費用相場は?失敗しない選び方と成果が出る構築戦略
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富山でWebサイト制作の費用相場は?失敗しない選び方と成果が出る構築戦略
富山県でWebサイト制作・ホームページ制作を検討中の方へ。富山県内の費用相場(中央値25万円〜)や内訳、制作会社とフリーランスの選び方、自社更新とローカル集客で失敗しない構築手順をプロが徹底解説します。
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まずは請求書と契約書を開いて、直近1年で実際に依頼した作業を数えるところから。
免責事項
本記事に掲載した料金・プラン内容・サービス条件は2026年9月時点で各社が公開している情報にもとづく目安です。価格や仕様は変更されることがあるため、契約前に必ず各社の公式サイトで最新情報をご確認ください。保守契約の解約可否や著作権の帰属といった契約上の判断は弁護士等の専門家へ、補助金の可否は各年度の公募要領へご確認ください。静的サイトへの移行による費用の変化や表示速度の改善幅は、サイトの構成・機能・現在の契約内容によって異なります。