結論
自社サイトのアドレスバーに「保護されていない通信」と出ているなら、常時SSL化(サイト全体を https:// にすること)を早めにおすすめします。警告による離脱や信頼の低下、通信を盗み見られるリスクを下げられるからです。多くの会社は、レンタルサーバーの無料SSLで対応できます。この記事では、なぜ必要か、しないと何が起きるか、どう直すかを、公的資料をもとに案内します。

うちのサイト、アドレスバーに「保護されていない通信」って出てるんですが、見られてはいるし、そのままでも大丈夫ですか。
見られること自体はできます。ただ、その表示が出ているだけで「情報を入れて大丈夫かな」と手が止まる訪問者は少なくありません。今は、鍵マークがあるのが当たり前の時代なんです。

富山でホームページを作っていると、「まだ http:// のままだけど問題ないか」「SSL化したのに警告が消えない」という相談をよく受けます。多くは自分でサーバーを触っているわけではなく、制作会社に作ってもらって、そのままになっているケースです。

この記事は、ITに詳しくない発注側の目線で、SSL化の必要性から、警告が消えない原因、証明書の選び方までを一通り案内します。難しい設定そのものは制作側の仕事なので、「何を確認し、何を頼めばいいか」が分かれば十分です。

数字や仕組みの話には、総務省・IPA・JPRSなど公的機関や専門機関の資料のリンクを添えています。

この記事でわかること
  • 「保護されていない通信」と表示される理由と、その意味
  • SSL化しないと失うもの(離脱・検索評価・通信の安全)
  • SSL化したのに警告が消えない原因(混合コンテンツ)と直し方
  • 無料SSL(DV)と有料SSL(OV)の選び方
  • 一度入れて終わりにしないための設定と更新

SSL化していないと警告が出る理由

httpのサイトをChromeで開くとアドレスバーに「保護されていない通信」と表示され、httpsなら鍵マークになることを対比した図

そもそも、なぜあの警告が出るんですか。前は出ていなかった気がします。
ブラウザの仕様が変わったからです。今は暗号化されていない通信を、ブラウザ側が一律で「保護されていない」と知らせるようになっています。

Google Chromeでは、SSL未対応(http://)のページを開くと、アドレスバーに「保護されていない通信」と表示されます。2018年7月のChrome 68以降、フォームの有無にかかわらず、すべてのHTTPページでこの表示が出る仕様になりました(出典: KAGOYA )。

さらに2025年には、Chrome 154でHTTPサイトへの警告をより強める計画が示されています。「盗聴や改ざんのリスクがある」と、はっきり伝える方向です(出典: Impress 窓の杜 )。つまり、放っておくほど表示は目立つ方向に進んでいます。

ブラウザは鍵マークで信頼を判断する

訪問者の多くは、暗号化という見えない技術ではなく、「鍵マークがあるか」「警告が出ていないか」という見た目でサイトの安全性を判断します。中身がどんなに良くても、入り口で「保護されていません」と出ていれば、その先を読んでもらえないことがあります。

実際、取引先のサイトを開いて警告が出ていると、フォームに住所や電話番号を入れる手が止まってしまう、という声は知恵袋などでも見られます(出典: Yahoo!知恵袋 )。

「小さい会社だから平気」は通じない

「うちは富山の小さな会社だし、誰も見ていないから警告が出ていても平気」と考える方もいます。ですが、警告は「誰かが実際に攻撃しているか」で出るのではありません。暗号化されていない、というだけでブラウザが一律に表示します。

つまり、見ている人が多いか少ないかに関係なく、開いた人には等しく「保護されていない」というラベルが見えてしまう、ということです。

まとめ

警告は「仕様」で出る

  • Chromeは2018年から、全HTTPページに「保護されていない通信」を表示
  • 2025年以降はさらに強い警告になる方向
  • 訪問者は鍵マークの有無という「見た目」で信頼を判断する

SSL化しないと失うもの

SSL化しないことで「訪問者の離脱」「検索評価で不利」「通信を盗み見られる」の3つを失う、と整理した図

警告が出ているだけで、そんなに困るものですか。
困り方は3つあります。訪問者に逃げられること、検索で不利になること、そして通信が守られないこと。順に見ましょう。

通信を盗み見る「中間者攻撃」

暗号化されていない通信のいちばんの問題は、中間者攻撃です。利用者とサイトの間に第三者が割り込み、通信内容を盗み見たり、書き換えたりする攻撃を指します。

http:// の通信は、中身が暗号化されずにそのまま流れます。そのため、たとえば公共のWi-Fiを経由したときに、入力した情報を第三者に取得される、といったリスクがあります(出典: 総務省 資料 )。常時SSL化は、この通信を暗号化して盗み見や改ざんを防ぐための仕組みです(出典: JPRS「常時SSL化について」 )。

利用者とサーバーの間に攻撃者が割り込む中間者攻撃を、http(覗ける)とhttps(暗号化で覗けない)で対比した図
中間者攻撃(MITM)
利用者とWebサイトの間に第三者が入り込み、通信を盗み見たり書き換えたりする攻撃のこと。暗号化されていない http 通信は、この攻撃に狙われやすくなります。

検索評価でも不利になる

Googleは2014年に、HTTPSを検索順位の評価要素(ランキングシグナル)の一つとして使うと公表しています(出典: 解説記事 )。SSL化していないサイトは、この点で相対的に不利になり得ます。

順位が「必ず上がる/下がる」という単純な話ではありませんが、同じ条件なら、暗号化されているサイトのほうが評価されやすいと考えておくのが無難です。

問い合わせの前に離脱される

Googleの透明性レポートのデータでは、2024年6月時点で、検索結果に表示されるサイトの約96%がすでにHTTPS化されています(出典: JAREAによる集計(データ元:Google透明性レポート) )。9割を大きく超える今、残りの少数派に入ってしまうこと自体が「不自然」に見える状況です。

警告が出ているサイトは、問い合わせフォームや資料請求の入力をためらわれ、成約の直前で離脱される要因になります。せっかく集客できても、入り口の警告で取りこぼすのはもったいない話です。

まとめ

SSL化しないと失う3つ

  • 安全:暗号化されず、中間者攻撃で通信を盗み見られるリスク
  • 評価:Googleの評価要素の一つで、相対的に不利になり得る
  • 機会:警告を見た訪問者が、問い合わせの前に離脱する

「SSL化したのに警告が消えない」の正体

httpsのページの中に、httpのままの画像やスクリプトが混ざっている「混合コンテンツ」を示した図

「証明書を入れてhttpsにしたのに、まだ警告が消えない」——これもよくある相談です。原因の多くは混合コンテンツ(Mixed Content)です。

ページ自体はhttpsで配信されているのに、その中で読み込んでいる画像・スクリプト・CSSの一部が http:// のまま残っている状態を指します。これが残っていると、警告が消えなかったり、一部が表示されなくなったりします。

直し方の基本は、残った http:// を特定して https:// に書き換えることです。技術的には、ブラウザの検証ツール(DevTools)のコンソールに出る「Mixed Content」の警告からURLを特定し、CMSの設定やソースを修正します(出典: 混合コンテンツの対処法 )。

混合コンテンツを直す手順
  • 検証ツール(DevTools)のコンソールで「Mixed Content」の警告を確認する
  • 残っている http</strong>:// のURLを特定する
  • 画像・スクリプト・CSSを https</strong>:// に書き換える(または相対パスにする)
  • 外部サービスがhttps未対応なら、対応版へ差し替える

ここは発注側が自分でやる必要はありません。「鍵マークが出ているか」を確認のポイントにして、消えないときは制作側に「混合コンテンツが残っていないか見てほしい」と伝えれば十分です。

SSL化の証明書の選び方と設定

SSL証明書のDV(ドメイン認証)・OV(企業実在認証)・EV(拡張認証)を、確認する内容と費用の目安で3段階に並べた比較図

無料のSSLで十分だと言われましたが、取引先に対して大丈夫でしょうか。
多くの会社は無料のSSLで足ります。ただ、業種によっては「会社の実在」まで示せる有料の証明書が向く場合もあります。違いを知っておきましょう。

無料のDVと有料のOV、どちらを選ぶか

SSL証明書には、審査の厳しさで3つのレベルがあります(出典: ASPIC )。

種類 確認する内容 費用の目安 向くケース
DV(ドメイン認証) ドメインの所有だけ 無料(Let’s Encrypt等)〜年1万円前後 会社案内・問い合わせ程度の中小サイト
OV(企業実在認証) 会社の登記・所在地・電話 年1万〜15万円程度 BtoB取引・信頼性が重視される業種
EV(拡張認証) さらに厳格な審査 年5万〜20万円前後 特に高い信頼性が求められる場面(目安)

暗号化の強さ自体は、DVでもOVでも変わりません。違いは「会社の実在まで証明するか」だけです。

問い合わせで氏名程度を扱う会社案内サイトなら、まずは無料のDVで十分とされています。一方、BtoB取引や決済を伴う場合は、実在を示せるOVを選ぶ会社もあります(出典: お名前.com )。

多くのレンタルサーバーは無料SSL(DV)を自動で用意・更新してくれます。まずはそれが使えるかを確認するのが、いちばんハードルの低い一歩です。

一度入れて終わりではない(TLS設定と更新)

SSL化は「一度やったら終わり」ではありません。通信を暗号化する仕組み(TLS)には安全性の基準があり、IPAのガイドラインでは、古い方式(TLS1.0/1.1)の利用停止と、TLS1.2以上の利用、弱い暗号設定を無効にすることが推奨されています(出典: IPA TLS暗号設定ガイドライン )。

実際に現場でも、「急にサイトが見られなくなった」という相談を何回も受けてきました。調べてみると、SSL証明書やドメイン・サーバーの更新忘れ(自動更新に設定していなかったこと)が原因であるケースが非常に多いです。また、WordPressなどで安易にSSL化プラグインを導入した結果、サイト全体の表示が崩れて「なんとかしてほしい」と駆け込まれる相談もよくあります。

放置しないための2点
  • 証明書の期限切れ:期限が切れると警告が表示されます。自動更新になっているか確認を。
  • 設定の古さ:TLSのバージョンや暗号設定は、時々見直しが必要です。

とはいえ、これらも発注側が自分で管理する必要はありません。保守やサーバーの契約で「自動更新か」「TLSの設定は最新か」を確認しておけば十分です。

載せ替え・リニューアルでSSL化する

自社サイトのSSL状態を確認する流れ(アドレスバーの表示を見る→鍵マークがなければ相談)を示したチェックの図

もし今、サイトが http:// のままだったり、警告が消えないまま放置されていたりするなら、サイトを軽い仕組みへ載せ替える・リニューアルするタイミングで、常時SSLごと組み直すのが手戻りのない方法です。

弊社では、今のサイトを静的な仕組みへ載せ替える際に、最初から常時SSL(サイト全体https)で組み直します。多くの場合、サーバーの無料SSLを使うので、証明書そのものの費用はかかりません。混合コンテンツの洗い出しや、旧URLからの引き継ぎも、その流れの中で整えられます。

実際に富山の「ヤマシナ印刷」様を作り直してお手伝いした際も、当初URLがhttpのまま運用されていたため、「httpsに対応させると、PageSpeed Insightsの『おすすめの方法』のスコアが上がりますよ」と助言して常時SSL化を行いました(改善後の「おすすめの方法」は74点を獲得しています)。

まずは、自社サイトをスマホやパソコンのChromeで開いて、アドレスバーに「保護されていない通信」が出ていないかを確認してみてください。出ていれば、対応を検討する合図です。

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SSL化に関するよくある質問

Q
無料のSSLと有料のSSLで、暗号化の強さは変わりますか。
▼
A
暗号化の強さ自体は基本的に変わりません。違いは「会社の実在まで確認するか」です。会社案内や問い合わせ程度なら無料のDVで足りることが多く、BtoB取引や決済を重視するならOVを選ぶ会社もあります。
Q
SSL化したのに「保護されていない通信」が消えません。なぜですか。
▼
A
多くは混合コンテンツが原因です。ページはhttpsでも、中の画像やスクリプトが http:// のまま残っていると警告が消えません。残ったURLをhttpsに直す必要があります。制作側に「混合コンテンツが残っていないか見てほしい」と伝えてください。
Q
SSL化すると検索順位は上がりますか。
▼
A
SSL化は、Googleが公表している評価要素の一つです。ただし、それだけで順位が必ず上がるわけではありません。「同じ条件なら不利になりにくくなる」程度に考え、順位は総合的に決まると理解しておくのが安全です。
Q
SSL化にはどれくらい費用がかかりますか。
▼
A
多くのレンタルサーバーは無料SSL(DV)を用意しており、その場合、証明書自体の費用はかかりません。有料のOV・EVを選ぶ場合や、混合コンテンツの修正に手間がかかる場合は、作業費が発生することがあります。
Q
一度SSL化すれば、あとは何もしなくて大丈夫ですか。
▼
A
いいえ。証明書の期限切れや、暗号方式(TLS)の設定の古さには注意が必要です。自動更新になっているか、TLSの設定が最新かを、サーバーや保守の契約で確認しておくと安心です。
Q
富山の会社でも、SSL化は本当に必要ですか。
▼
A
必要です。警告は「誰かに見られているか」ではなく、暗号化されていないという理由でブラウザが一律に表示します。会社の規模や地域に関係なく、開いた人には等しく警告が見えてしまいます。

まとめ

「保護されていない通信」の表示は、今やブラウザの標準的な仕様として出るものです。放置するほど警告は目立つ方向に進み、訪問者の離脱・検索評価・通信の安全という3つの面で不利になります。

まとめ

SSL化でおさえる要点

  • 常時SSL化(サイト全体https)は、事業サイトの最低限の身だしなみ
  • 多くの会社は、サーバーの無料SSL(DV)で対応できる
  • 警告が消えないときは「混合コンテンツ」を疑う
  • 証明書の更新とTLS設定は、放置せず確認する

まずは自社サイトをChromeで開き、アドレスバーを確認するところから。警告が出ていたり、消えないまま止まっていたりするなら、載せ替え・リニューアルの機会に常時SSLごと整えるのが手戻りの少ない方法です。判断に迷えば、警告が出ていないかを無料で診断するところから始められます。

免責事項
本記事のセキュリティ・費用に関する記述は、一般的な傾向および公的資料にもとづく目安です。必要な証明書の種類や設定、費用は、サーバー環境やサイトの構成によって変わります。掲載の情報・料金・仕様は2026年時点のもので、将来変更される場合があります。実際の対応は、サーバーや制作・保守の契約内容にあわせて個別にご確認ください。