ホームページの表示が遅い原因と、根本から速くする方法
富山でホームページを作っていると、「重い」「スマホで表示が遅い」「開く前に離れられている気がする」という相談をよく受けます。「重い気はするけれど、何から手をつければいいか分からない」という声や、逆に「診断ツールの点数は低いのに、自分のスマホで見た感じは遅くない」という声もいただきます(これは高速なWi-Fiなどで見ているためです)。多くは自分でサイトを更新しているわけではなく、制作会社に作ってもらって、そのまま使っているケースです。
この記事では、遅いと何を損するのか、なぜ遅くなるのか、どう測るのか、そしてどう直すのか(自分でできる軽量化か、作り直し・載せ替えか)を、順番に案内します。専門用語は噛み砕くので、ITに詳しくなくても「何を確認し、何を頼めばいいか」が分かります。
- 自分のパソコンやスマホだけ遅い:回線や端末、たまった一時ファイルなどが原因のことが多く、サイト側の問題ではない場合があります。
- 訪問者の多くにとってサイトが遅い:これはサイト側の問題です。この記事が扱うのはこちらで、あとで紹介する測定ツールを使えば、環境によらない「サイトそのものの速さ」が分かります。
数字や基準の話には、Googleの公式ドキュメントなど一次情報のリンクを添えています。
- 表示が遅いと、集客や信頼の面で何を失うのか
- ホームページの表示が遅くなる主な原因
- 自分のサイトの速さを測る方法と、「良い」の目安(Core Web Vitals)
- 遅いサイトを速くする2つの道(軽量化と静的化)の選び分け
- 更新頻度によって、どちらが向くのか
サイトが遅いと、会社は何を失うのか
表示の速さは、見た目の問題ではなく、集客と信頼に直結します。失うものは、大きく3つ。
遅いほど、人は待たずに離れる
スマホで検索して開いたページが、なかなか表示されない——そのとき多くの人は、内容を確かめる前に戻るボタンを押します。遅ければ遅いほど、離脱は増えやすい傾向があります。
とくに初めて訪れる見込み客は、あなたの会社への思い入れがありません。数秒の遅さで、「別の会社を見よう」と感じる人も増えます。せっかく広告や検索で連れてきた人を、入り口で取りこぼすのはもったいない話です。
そして離脱は、その先の問い合わせや申し込み(コンバージョン)の減少につながります。表示が速いほど問い合わせや成約に結びつきやすい、と速度改善を扱う制作会社も指摘しています(出典: Webサイト表示速度の改善(GIG) )。広告費をかけて集めた人ほど、遅さで取りこぼす損失は大きくなります。
検索評価にも響く(スマホ中心の評価)
Googleは、スマートフォン版のページを評価の中心にする「モバイルファーストインデックス」へ、すでに移行を完了しています。スマホで遅い・使いにくいページは、評価が下がりやすくなります(出典: モバイルファーストインデックスの解説 )。
さらにGoogleは、表示速度や操作の快適さを「Core Web Vitals」という指標で見ており、これは検索での評価要素の一つです(出典: Google 検索セントラル「Core Web Vitals」 )。速さは、見つけてもらいやすさにも関わるということです。
信頼まで下がってしまう
遅くて、開くたびに待たされるサイトは、それだけで「ちゃんと管理されていない会社」という印象を与えかねません。中身がどんなに良くても、体験の悪さが会社の印象に重なってしまう。これが3つめの損失です。
遅さは「見た目」ではなく「損失」
- 遅いほど、訪問者は内容を見る前に離れやすい
- スマホ中心の評価で、検索でも不利になり得る
- 「管理されていない会社」という印象で信頼も下がる
なぜホームページの表示は遅くなるのか
重い仕組み(WordPress+プラグイン+データベース)
多くの事業サイトはWordPressで作られています。WordPressは、訪問者がページを開くたびに、データベースから情報を取り出してページを組み立てる仕組みです。この「毎回組み立てる」処理が、表示までの時間を生みます。
さらに、機能を足すためのプラグインを積むほど重くなります。使っていないプラグインでも、有効なだけで余分なプログラム(CSSやJavaScript)が読み込まれ、時間のロスになります(出典: ConoHa ワプ活 )。プラグインによっては、不要なデータベースへの問い合わせを大量に発行して、さらに遅くすることもあります(出典: Webly(ecmarketing) )。
画像が最適化されていない
写真やバナーなどの画像が、撮ったまま・大きいまま載っていると、読み込みに時間がかかります。とくにトップページに大きな画像が並んでいると、スマホでは表示が重くなりがちです。画像は圧縮・最適化するだけでも改善できます(出典: ConoHa ワプ活 )。
表示する大きさに合わせて画像を用意しておくのも効果的です。撮影したままの数MBの写真を何枚も並べれば、それだけで表示は目に見えて遅くなります。「きれいに見せたい」と大きな画像を多用しているサイトほど、ここで差が出ます。
共有サーバーで混み合う
サーバーの性能が低い、あるいは他社と共同で使う「共有サーバー」だと、他のサイトの混雑の影響を受けてリソースが圧迫され、遅くなることがあります(出典: ConoHa ワプ活 )。安いプランのまま何年も、というケースでよく見られます。
とくにアクセスが増える時間帯や、急に人が集まったときに、遅さが表面化しやすくなります。サーバーの見直しで改善することもありますが、原因が仕組みや画像の側にある場合は、サーバーだけ替えても十分に速くならない点には注意してください。
使わない機能を積んだまま
「あると便利かも」で足した機能や、当時のはやりで入れた仕組みが、使われないまま残っていることもあります。動かしていない機能でも、仕組みとして抱えているだけで重さの一因になります。
「今も使っているか」で棚卸しすると、外せるものが見つかることが多いです。スライドショー、チャット窓口、予約カレンダーなど、導入したきり放置されている機能は、思い切って外すほどサイトは身軽になります。
計測タグ・外部スクリプトの積みすぎ
アクセス解析や広告の計測タグ、SNSの埋め込み、チャット窓口、地図や動画など、外部サービスのプログラムを何本も読み込んでいると、その分だけ表示が重くなります。速度改善を扱う制作会社の解説でも、この「外部ファイル・タグの入れすぎ」は共通してあげられる原因です(出典: Webサイトが重い原因(さくらのウェブアクセラレータ) )。
一つひとつは小さくても、積み重なると無視できません。今も本当に使っているタグだけに絞るだけで、軽くなることがあります。
遅さの主因は「重い仕組み」と「重い中身」
- WordPressは開くたびにページを組み立てる(プラグインが多いほど重い)
- 大きすぎる画像、共有サーバーの混雑も遅さの原因
- 使わない機能を積んだままにしていないか見直す
自分のサイトの表示速度を測る
PageSpeed Insightsで測る
Googleの「PageSpeed Insights」に自社サイトのURLを入れると、表示速度の点数と、どこを直せばよいかの指摘が出ます。無料で、誰でも使えます。
まずはスマホの結果を見てください。パソコンでは速くても、スマホで遅いことはよくあります。スマホの回線や端末はパソコンより不利なので、重い画像や多いプログラムの影響が出やすいためです。
点数そのものより、「何が足を引っ張っているか」を読むのが大事です。画像が重い、プログラムの読み込みが多い、といった指摘が、次に直す場所を教えてくれます。
まず直すのは、よく見られるページ
すべてのページを一度に直す必要はありません。まずはよく見られるページから手をつけるのが効率的です。
多くの会社では、トップページ、主要なサービス・料金のページ、検索から人が入る記事ページにアクセスが集中します。そこが遅いと損失も大きいので、優先して測り、直しましょう。
ほとんど見られていないページは後回しでかまいません。どのページがよく見られているかは、アクセス解析(Googleアナリティクス等)で確認できます。
「良い」の目安(LCP・INP・CLS)
Googleは、表示の速さや快適さを「Core Web Vitals」という3つの指標で見ています。良好とされる目安は次のとおりです(出典: Google 検索セントラル「Core Web Vitals」 )。
| 指標 | 何を測るか | 良好の目安 |
|---|---|---|
| LCP | 主要な中身が表示されるまでの速さ | 2.5秒以内 |
| INP | タップなどへの反応の速さ | 200ミリ秒未満 |
| CLS | 表示中に画面がガタッとずれない安定性 | 0.1未満 |
数字は目安です。すべてを満点にする必要はありませんが、LCPが数秒以上かかっているなら、多くの訪問者が「遅い」と感じやすくなります。
最初の文字は出るのに写真が出ない?FCPとLCPの違い
表示の遅さでよくあるのが、「画面を開くと文字はすぐ出るのに、メインの写真がなかなか表示されない」というケースです。表示開始を表すFCP(First Contentful Paint)と、主要なコンテンツが出揃うLCPには大きな違いがあります。
実際に富山の「ヤマシナ印刷」様(ホームページビルダー製の通常のHTMLサイト)をお手伝いした際、改修前はFCPが0.7秒と最初から速かったのに対し、LCPは7.0秒もかかっていました。つまり「最初の文字はパッと出るのに、メインの写真が出るまでに7秒も待たされる」状態だったのです。画像を最適化し静的コードを整えた結果、スコアは68点から100点へ、LCPは7.0秒から1.8秒へ(Speed Indexも6.0秒から0.8秒へ)劇的に改善しました。
また、医科大学の医局様の通常HTMLサイトでも、改修前は76点だったものが最適化により97点まで改善しました。「WordPressではない普通のHTMLだから速い」とは限らず、画像や設計が重ければ表示は遅くなります。
遅いサイトを速くする2つの道
まず試せる軽量化
今のWordPressを使い続ける前提なら、まずは軽量化です。効果が出やすいのは次のような対策です(出典: ConoHa ワプ活 , カチカ )。
- 使っていないプラグイン・外部タグを整理する
- 画像を圧縮・最適化する
- 画像を必要になってから読み込む(遅延読み込み)
- キャッシュの仕組みを入れる(作った結果を使い回して速くする)
- CDN(表示を各地の拠点から配る仕組み)を使う
- サーバーのプランや性能を見直す
実際、画像の圧縮や不要な読み込みの整理だけでも、体感が変わるほど速くなるケースは少なくありません(出典: ConoHa ワプ活 )。更新を続けたい・自分で記事を足したい会社は、まずこの軽量化から着手するのが現実的です。
ただし、軽量化は「重い仕組みの上で軽くする」対策です。プラグインやデータベースを使う土台そのものは残るので、速さには限界があります。
更新しないなら静的化が根本策
一方、ほとんど更新しない会社——会社案内やサービス紹介が中心で、更新は年に数回——なら、話は変わります。重い仕組みそのものを降ろして、静的サイトへ載せ替えるほうが、根本から速くなります。
弊社で作家様のブランドサイト「繋がる花文字」様を静的サイトへ載せ替えた例では、Google PageSpeed Insights のスコアが57点から100点に、スマホの表示開始が8.3秒から0.8秒になりました。データベースを持たず、出来上がったページをそのまま配る構成にしたためです。
→ 実際の改善事例は 改善・移行実績 をご覧ください。スコア改善の具体的な手順や発注時の注意点は、PageSpeedのスコアを改善するには でも詳しく解説しています。
どちらを選ぶか
分かれ道は「自分でどれくらい更新するか」です。
- 更新が多い/自分で記事を足したい/EC・予約・会員機能がある:WordPressを続けて軽量化するのが妥当です。動的な機能は、静的サイトだと外部サービスの追加が必要になります。
- ほとんど更新しない/会社案内が中心/重さと保守費が不満:静的化(載せ替え)で、速さも保守費も一度に見直せます。
どちらが良い・悪いではなく、使い方に合うかで選ぶのが正解です。自社がどちらか迷うときは、直近1年で自分で何回更新したかを数えてみてください。
ゼロか数回なら、更新機能をほとんど使っていない証拠です。その場合は、軽量化で延命するより、静的化で根本から速く・保守0円にするほうが、数年で見れば合理的なことが多いでしょう。毎週のように更新しているなら、その手軽さこそWordPressの価値なので、続けて軽量化するのが向いています。WordPressをやめて静的サイトへ載せ替える判断基準や費用の目安は、WordPressをやめたい会社へ で詳しく解説しています。
速くする道は2つ、選ぶ基準は「更新するか」
- まずはPageSpeed Insightsで測る
- 更新するなら軽量化(プラグイン整理・画像圧縮・キャッシュ・サーバー見直し)
- ほとんど更新しないなら静的化で根本から速く(実測57→100点)
表示速度に関するよくある質問
Q
点数が高ければ、体感も速いと考えていいですか。
Q
プラグインを入れれば速くなりますか。
Q
サーバーを変えれば解決しますか。
Q
スマホだけ遅いのはなぜですか。どう直せばいいですか。
Q
載せ替えると、今の見た目やSEOはどうなりますか。
Q
軽量化と載せ替え、費用はどちらが高いですか。
Q
一度速くしたら、ずっと速いままですか。
Q
公開したばかりなのに、一部のページだけ表示が遅いのはなぜですか。
Q
自分のパソコンやスマホだけ遅い気がします。サイトの問題でしょうか。
まとめ
ホームページの表示が遅いと感じたら、まずGoogleのPageSpeed Insightsで測るところから始めてください。遅さの主因は、重い仕組み・大きな画像・共有サーバー・使わない機能です。
更新を続ける会社なら、プラグインの整理・画像圧縮・キャッシュ・サーバー見直しといった軽量化で改善できます。一方、ほとんど更新しない会社にとっては、重い仕組みごと静的サイトへ載せ替えるほうが、根本から速く、保守費も見直せます。
遅いサイトへの向き合い方
- まず測る(PageSpeed Insights・スマホの結果を見る)
- 目安は LCP 2.5秒以内・INP 200ミリ秒未満・CLS 0.1未満
- 更新するなら軽量化、ほとんど更新しないなら静的化
- 見た目はそのままに、中身だけ軽くできる
自社がどちらの道に向くか、今の速さと維持費を無料で診断するところから始められます。