PageSpeedのスコアを改善するには|57点→100点の実例と発注側の視点
富山でホームページを作っていると、「スコアが低いけど、どうすればいいの」という相談をよく受けます。多くは自分でサイトを触っているわけではなく、制作会社に作ってもらって、数字だけを見て不安になっているケースです。
実は、ホームページ屋である弊社自社サイト自身も、かつてWordPressを使っていた頃はモバイルのスコアが53点(TBT 610ms、LCP 5.2秒)と要改善のオレンジ判定でした。そこから静的HTMLへ移行したことで100点(TBT 0ms、LCP 1.1秒)を達成した経験があります。
表示の速さは、見た目だけの話ではありません。開くのが遅いと、内容を見る前に離脱され、問い合わせや申し込みの機会を取りこぼしやすくなります。だからスコアは気にする価値がありますが、点数の一人歩きには注意が必要です。
数字や基準の話には、GoogleやChrome公式の一次情報リンクを添えています。専門用語は噛み砕くので、ITに詳しくなくても「何を確認し、何を頼めばいいか」が分かります。
- PageSpeedのスコアはどこを見ればいいか(色の目安・ラボとフィールドの違い)
- 何点まで上げればいいか(点数を追わない判断軸)
- スコアを改善する打ち手と、誰に何を頼むか
- 上がらない時に疑う「重い仕組み」と、57点→100点にした実例
- 軽量化で直すか、載せ替えで直すか(更新頻度での選び分け)
PageSpeedのスコアはどこを見ればいいか
パフォーマンススコアの色と意味(90以上が目安・100は必達でない)
PageSpeed Insights の上部に出る「パフォーマンス」の点数は、Lighthouse という仕組みが、決まった条件でページを読み込んで採点した0〜100点の総合点です。色の目安は次のとおりです(出典: Chrome for Developers「Lighthouse performance scoring」 )。
| スコア | 色 | 評価 |
|---|---|---|
| 90〜100 | 緑 | 良好(Good) |
| 50〜89 | オレンジ | 要改善(Needs Improvement) |
| 0〜49 | 赤 | 不良(Poor) |
90点以上が一つの目安ですが、100点は必達ではありません。この点はあとで詳しく触れます。
ラボデータとフィールドデータの違い(“過去28日”の実ユーザー)
PageSpeed Insights には、性格の違う2種類のデータが並びます。ここを混同しないことが、いちばん大事です。
- フィールドデータ:実際にサイトを訪れたChromeユーザーの体験を、過去28日間集計したもの(CrUX)。「本当に遅いか」を表す。
- ラボデータ:Lighthouseが決まった端末・回線の条件で再現した診断値。「何を直せばいいか」を探すためのもの。
フィールドデータは実際の訪問者の端末・回線・地域を反映した実測で、ラボデータは固定条件のシミュレーションです(出典: web.dev「ラボデータとフィールドデータの違い」 )。上部の点数はラボ側、「ウェブに関する主な指標(Core Web Vitals)」の合否はフィールド側、という位置づけです(出典: PageSpeed Insights について(Google) )。
「過去28日」と出るのは、直近28日間の実ユーザーの集計だからです。改修してもフィールドの数字はすぐには動かない、という点は覚えておくと安心です。
スコアは変動する・スマホとPCは別物
「何も変えていないのにスコアが違う」——これは異常とは限りません。通信経路、端末の性能、その時の広告や拡張機能など、測るたびに条件が変わるためです(出典: PageSpeed Insights について(Google) )。単発の点数は「その瞬間の値」で、絶対評価ではありません。
逆に、会員制サイトなどで「スマホは問題ないのにPCだけ遅い」というケースもあります。その場合も、まず何が重いのかを測って切り分けます。
実際に「点数は低いのに、自分の端末で見た感じは遅くない」という相談もよく受けます。これはオフィスの光回線など高速な通信環境で見ていることが多く、PageSpeed Insightsのモバイル診断では遅めの回線や一般的な端末環境を想定して厳しめに採点しているためです。
だから、1点刻みの上下に一喜一憂する意味は、あまりありません。
PageSpeedのスコアは何点まで上げればいいか
100点より、Core Web Vitalsが良好かを見る
Lighthouseの公式資料は、100点満点は「極めて達成が難しく、期待されているものでもない」と明記しています(出典: Chrome for Developers「Lighthouse performance scoring」 )。追うべきは点数ではなく、実ユーザーの体験を表す Core Web Vitals です。良好の目安は次のとおりです(出典: web.dev「Web Vitals」 )。
| 指標 | 何を測るか | 良好の目安 |
|---|---|---|
| LCP | 主要な中身が表示されるまでの速さ | 2.5秒以下 |
| INP | タップなどへの反応の速さ | 200ミリ秒以下 |
| CLS | 表示中に画面がガタッとずれない安定性 | 0.1以下 |
なお、スコアが高い=検索順位が上がる、ではありません。 Googleは「ページ体験に単一のシグナルはない」と明言しており、順位はコンテンツの有用性や検索意図との適合など多くの要因で決まります(出典: Google 検索セントラル「ページ エクスペリエンス」 )。速さはその一部、と捉えるのが正確です。
まず直すのは、よく見られるページ
すべてのページを一律に直す必要はありません。トップ、サービス・料金、検索から人が入る記事など、よく見られて事業に効くページから測って直すのが効率的です。
「89点なのに遅く感じる」という声もありますが、それは点数と体感がずれることがあるからです。点数より、そのページの実際の体験(LCPなど)を見てください。
90→100の費用対効果(どこで止めるか)
90点を超えると、1点上げるための作業量が急に増えます。公式にも、99点を100点にする労力は、90点を94点に上げる労力とほぼ同じになり得ると書かれています(出典: Chrome for Developers「Lighthouse performance scoring」 )。
- フィールドデータでLCP・INP・CLSが良好か
- 流入や問い合わせが多いページが遅くないか
- 画像・JS・サーバー応答など、体験に効く箇所が残っていないか
100点のためだけに、広告・計測・機能や更新のしやすさを犠牲にするのは本末転倒です。改修後は、フォーム送信や表示崩れも一緒に確認しましょう。
PageSpeedのスコアを改善する打ち手(何を頼むか)
画像の最適化(いちばん効きやすい)
多くのサイトで最初に効くのが画像です。撮ったままの大きな画像は、それだけで表示を遅くします。圧縮、適切なサイズ、次世代形式(WebP/AVIFなど軽い画像形式)、そして画面外の画像の遅延読み込みが基本の打ち手です。
実際にXでも、画像まわりの改善で数字が動いた報告が見られます。スコア改善に関するXの投稿を独自に調べ、成果報告・不満など複数の声を分類したうえで、数値がはっきり分かる画像・フォント関連の実測を2件抜粋しました(いずれも他社の利用者の投稿。弊社の事例ではありません)。
いずれも「重い読み込みを1つ外すだけで大きく動く」ことを示しています。画像とフォントは、費用をかけずに効果が出やすい代表格です。
使っていないWebフォントを減らす、読み込み方を制作側に最適化してもらう(font-displayなど)だけでも、上の例のように変わることがあります。ただし数字はサイトごとに変わるので、必ず改修の前後で測って確かめてください。
表示をふさぐCSS/JS・外部タグを減らす
CSSやJavaScriptは、放っておくと表示をふさぐ原因になります。ブラウザはCSSを読み終えるまで描画を止め、defer等のないJavaScriptはHTMLの解析を止めるためです(出典: web.dev「リソース読み込みの最適化」
)。使っていないCSS/JSを減らし、初期表示に不要なものは後回しにします。
とくに見落とされがちなのが外部タグです。アクセス解析・広告・SNS埋め込み・チャット・地図などを何本も読み込むと、その分だけ重くなります(出典: web.dev「サードパーティJavaScript」 )。今も使っているタグだけに絞るだけでも軽くなります。
キャッシュ・サーバー・配信(TTFB/CDN)を見直す
一度作った結果を使い回す「キャッシュ」、サーバーが最初の反応を返すまでの時間(TTFB)の短縮、利用者の近くから配信するCDNも効きます。GoogleもTTFB改善策として、近い場所からの配信とキャッシュを挙げています(出典: web.dev「Core Web Vitals改善の要点」 )。共有サーバーで混み合っているなら、プランやサーバーの見直しで改善することもあります。
技術の細部は、制作側の仕事
gzip/Brotli圧縮、defer/async、クリティカルCSS、fetchpriority——このあたりは専門的な実装で、発注側が自分でやる必要はありません。あなたが確認するのは「スマホの結果」と「よく見られるページが速くなったか」の2点で十分です。
誰に頼む?頼む前に確認すること
頼み先の当たりは、PageSpeedの指摘の中身で見分けられます。
- 指摘がサーバーの応答時間中心 → サーバー・配信(ホスティングや保守)側の話
- 指摘が画像・スクリプト中心 → 制作・テーマ/プラグイン側の話
- ドメインやサーバーの名義が自社かも確認しておく(乗り換え時に効く)
- 費用は範囲によって変わるので、「どのページを・どこまで」を先に決めて見積もる
多くの会社は、ここまでで足りる
大事な前提として、多くの事業サイトは、ここまでの軽量化で「体感が十分速い」状態になりやすいです。 無理に作り直す必要はありません。
とくに更新が多い会社は、この軽量化を続けるのが妥当です。それでも頭打ちになってしまう場合はどう考えればよいでしょうか。
スコアが上がらないなら「重い仕組み」を疑う(57→100点の実例)
なぜ軽量化しても頭打ちになるのか
WordPressのような動的な仕組みは、訪問のたびに「プログラム(PHP)の起動 → テーマ・プラグインの初期化 → データベースへの問い合わせ → ページの組み立て」という処理を積み上げてからHTMLを返します。この待ち時間が、最初の反応(TTFB)を押し上げます。
WordPress自体が必ず遅いわけではありません。ただ、キャッシュが効かない動的表示では、静的なHTMLを返す方式よりTTFBが伸びやすい構造がある、ということです。Google側の資料でも、WordPressには軽量なテーマ・フルページキャッシュ・静的サイト化・不要プラグインの無効化が案内されています(出典: Chrome for Developers「サーバー応答時間」 )。
弊社の実測:載せ替えで57点→100点、8.3秒→0.8秒
弊社で、WordPressのサイトを見た目の印象はそのままに、静的サイトへ載せ替えた例では、次のように変わりました。
- Google PageSpeed Insights のスコアが57点→100点
- スマホの表示開始が8.3秒→0.8秒
- データベースを持たない構成にし、更新で壊れるプラグインが無いためシステムの手入れが不要に
あらかじめ作ったページをそのまま配る仕組みなので、開くたびの組み立てがなく、根本から軽くなりやすいのが特長です。
→ 実際の改善事例は 改善・移行実績 をご覧ください。
スコアの改善は軽量化か載せ替えか(更新頻度で選ぶ)
どちらが正解かは、「自分でどれくらい更新するか」で決まります。
更新が多い会社は、WordPress継続+軽量化が妥当
自分で記事やお知らせを頻繁に更新する、ネットショップ・予約・会員機能がある——そんな会社は、管理画面から更新できる手軽さがそのまま価値です。この場合は、画像やプラグインの軽量化で速さを保つのが現実的です。動的な機能は、静的サイトだと外部サービスの追加が必要になります。
ほとんど更新しない会社は、載せ替えで根本から
会社案内やサービス紹介が中心で、更新は年に数回——そんな会社にとっては、重い仕組みを持ち続けること自体がコストです。静的サイトへ載せ替えれば、スコアも保守費も一度に見直せます。
迷ったら、直近1年の更新回数を数える
ゼロか数回なら、更新機能をほとんど使っていない証拠です。その場合は載せ替えが根本策になりやすいでしょう。毎週のように触っているなら、軽量化を続けるのが向いています。
自社サイトの速さと維持費は、無料で診断するところから始められます。
→ サイトが遅い原因を広く知りたい方は ホームページの表示が遅い原因と、根本から速くする方法 もどうぞ。
PageSpeedのスコアに関するよくある質問
Q
「スコアが89点なのに遅い」と感じます。制作会社に何を伝えればいいですか。
Q
WordPressサイトでモバイルのスコアが著しく低いです。まず何からですか。
Q
改修したのに、スコア(数字)がなかなか変わりません。
Q
「実際のユーザーデータがありません」と表示されます。異常ですか。
Q
モバイルは問題ないのに、PCだけ遅いです。どう見ればいいですか。
Q
スコアが低いと、SEOの検索順位は下がりますか。
まとめ
ここまで見てきたように、PageSpeedのスコアは「直すきっかけ」であって、ゴールではありません。数字そのものより、実際に使う人の体感が良くなったかを見てください。
スコア改善で押さえる要点
- 90点以上が目安・100点は必達でない。実ユーザーのCWVを優先
- 打ち手は画像→CSS/JS・外部タグ→キャッシュ・サーバーの順で効きやすい
- 多くの会社は軽量化で足りる。更新が多いならWordPress継続が妥当
- 軽量化で頭打ちなら「重い仕組み」を疑う(載せ替えで57→100点の例)
- 軽量化か載せ替えかは、更新頻度で選ぶ
自社がどちらの道に向くか、今の速さと維持費を無料で診断するところから始められます。