結論
ホームページのドメイン移管は、「名義(登録者)」「管理会社」「DNS」「サーバー」の4つを分けて考えれば、難しくありません。最初に名義を確かめ、名義が自社なら認証コードを取って移します。移管の手続きそのもので必ず止まるわけではなく、止まりうるのはDNSやサーバーを切り替えるときなので、旧サービスの解約は最後に回しましょう。

制作会社を変えたいんですが、ドメインを移したらホームページもメールも止まりそうで、怖くて動けません。
似た相談を受けたことがあります。まずは、ドメインが誰の名義になっているかを一緒に見てみましょう。そのうえで順番を守れば、止めずに進めやすくなります。

制作会社にホームページとドメインを任せてきた方が、業者を変えるときに一番迷うのが「ドメインをどう移すか」です。

この記事では、移管の仕組みを4つに分けて整理し、名義の確かめ方から止めない順番までを案内します。

この記事の根拠
根拠は、JPRS(日本のドメインを管理する組織)とICANN(.comなどを管理する組織)のルール、ドメイン会社・サーバー会社の公式ヘルプ、X上の声、そして富山でホームページの制作と載せ替えを手がける私が受けてきた相談です。保守契約の解約そのものの進め方は、ホームページの保守契約を解約する手順は?揉めずに乗り換える注意点 にまとめています。
この記事でわかる移管の5ステップ
  • 名義(登録者)を確かめる
  • 移管に必要なものを集める
  • ロックを外して、認証コードを受け取る
  • 移管を申し込み、承認する
  • DNSとメールを切り替え、最後に旧サービスを解約する

ホームページのドメイン移管とは?4つの「移す」を分けて考える

ドメインを移すのと、サーバーを移すのは、同じことじゃないんですか?
実は別の手続きなんです。ここを分けておくと、何が止まって何が止まらないのかが見えてきます。

ドメインの移管とサーバーの引っ越しは別の手続き

ドメインの移管とサーバーの引っ越しの違いを示す図。上は「ドメイン」から「管理会社」へ移す流れ(移管)、下は「サーバー」から引っ越し先へ移す流れで、2つは別々の手続きだと示す

さくらインターネットは、ドメイン移管を「今使っているドメイン名は変えずに、管理会社だけを別の会社に変える手続き」と説明しています。移管しても、URLやメールアドレスの文字列は変わりません。(出典: さくらのサポート情報「サーバー移転ガイド」 )

「移す」と言われる手続きを並べると、次のようになります。

手続き 変えるもの URLは変わるか
管理会社の変更(.comなど=レジストラ移管/.jp=指定事業者変更) ドメインを管理する会社 変わらない
登録者(名義)の変更 ドメインの持ち主として登録されている人・会社 変わらない
ネームサーバー・DNSの変更 ドメインをどのサーバーにつなぐかの設定 変わらない
サーバーの引っ越し サイトやメールを置く場所 変わらない
ドメイン名の変更 ドメインそのもの(例:.netから.jpへ) 変わる

表の1行目は、ドメインの種類によって呼び名とルールが違うだけで、同じ「管理会社を変える」手続きです。(出典: ICANN「Transfer Policy」 、JPRS「指定事業者の変更」 )

注意したいのは最後の行です。ドメイン名を変えるのは、移管とはまったく別の話になります。解約を伝えたらドメインを止めると告げられ、結局は新しいドメインで作り直すことになった、という似た相談を受けたことがあります。

.jpと.comでは手続きのルールが違う

.comや.netなどは世界共通のICANNのルール、.jpや.co.jpはJPRSのルール。移管で使う認証コード(AuthCode)の扱いも、少しずつ違うのです。

.jpと.comのドメイン移管の手続きの違いを比べた図。認証コードの扱い、移管を承認する人、登録直後の制限、ロックの種類を左右に並べる
項目 .comなど(gTLD) .jp・.co.jpなど(JP)
ルールを決める組織 ICANN JPRS
認証コード 使う(AuthInfo) 2022年11月13日から使う。発行の翌日を1日目として35日後まで有効
移管を承認する人 登録者 JPRS→今の指定事業者→登録者の順で意思を確認
登録直後の制限 登録後60日以内は移管を断られることがある ICANNの60日ルールは、そのままは当てはまらない
かかっているロック 移管を止める設定(clientTransferProhibitedなど) 指定事業者変更ロックなど

(出典: ICANN「Transfer Policy」 、JPRS「指定事業者の変更」 、JPDirect「JPドメインの移管手順」 )

ただし、ドメイン会社が独自の条件を設けていることもあります。たとえばお名前.comは、汎用JP・属性型JPのドメインとレンタルサーバーを同時に申し込んだ場合、そのドメインは60日間ほかの会社へ移せない、と案内しています。(出典: お名前.com「他社への移管条件」 )

まとめ
  • ドメイン移管は「管理会社を変える」手続きで、URLは変わらない
  • 名義・DNS・サーバー・ドメイン名の変更は、それぞれ別の手続き
  • .jpと.comではルールが違い、さらに会社ごとの条件もある

4つを分けると、最初に確かめるべきものが見えてくるはずです。それが「名義」です。

ホームページのドメイン移管の前に、名義(登録者)を確かめる

名義って、お金を払っているうちの会社じゃないんですか?
そこが落とし穴なんです。費用を払っている会社と、ドメインの持ち主として登録されている人は、一致しないことがあります。

登録者はWHOISで調べられる

ドメインの持ち主は、WHOIS(フーイズ)という仕組みで調べられます。.jpの調べ方はホームページの著作権を盾に解約できないは本当か|制作会社トラブルの対処法 でも触れているので、ここでは要点だけにします。

ドメイン 調べる場所 主にわかること
.jp・.co.jpなど JPRS WHOIS 登録者名・ネームサーバー・登録年月日・有効期限・状態
.com・.netなど ICANN Lookup 管理会社・登録日・有効期限・状態・ネームサーバー(登録者名は伏せられることがある)

.comなどの登録情報は、2025年1月28日から、WHOISに代わってRDAPという新しい仕組みが基準になりました。調べるときは、ICANN Lookupで検索できます。(出典: JPRS「Whoisとは」 、ICANN「RDAPへの移行」 )

ドメイン会社の管理画面に入れるなら、そこで確かめるのが早道でしょう。お名前.comなら、ドメイン一覧から対象のドメインを開くと、登録者の情報・有効期限・ネームサーバーが確認できます。(出典: お名前.com「ドメイン詳細情報確認方法」 )

制作会社の名前が出ても、登録者とは限らない

WHOISに制作会社の名前が出ても、それだけで「制作会社のもの」とは決められません。名前を伏せて別の表示に置き換える仕組みがあるからです。

JPRSは、汎用JP・都道府県型JPのドメインで、登録者名を別の表示に置き換える機能を2014年8月18日から提供しています。置き換えた場合は登録者名の検索にも出ません。本当の登録者については、書面で開示を求める方法が案内されています。(出典: JPRS「登録者名の非表示」 )

.comなどでも、ドメイン会社の「公開代行」という設定があります。お名前.comでは、公開代行を設定したままだと、ほかの会社への移管は承認されません。(出典: お名前.com「他社への移管条件」 )

名義の確かめ方の判断フロー図。WHOISや管理画面で登録者を確認→自社なら移管の手順へ/制作会社や前の担当者個人なら契約の確認と話し合いへ/伏せられていてわからないなら業者に書面で確認、と分かれる

調べてみたら、名義が制作会社や、前の担当者の個人名になっていた。そうしたケースは、私も経験があります。

名義が制作会社だったときの考え方

ICANNのルールでは、移管を承認できるのは登録者だけです。名義を変えるにも、今の登録者と新しい登録者(またはそれぞれが権限を与えた人)の確認が要ります。(出典: ICANN「Transfer Policy」 )

ここで混同しやすいのが、「登録上の権限」と「契約上の権利」です。制作費を払った発注者なら、制作会社名義のドメインを必ず受け取れる、という一律の公式な決まりは、今回の調査では確認できませんでした。名義を自社へ移せるかどうかは、契約の中身と話し合い次第になります。

ドメインが制作会社の名義で、移管やデータの受け渡しに高い費用を言われた、という似た相談を受けたことがあります。登録上の承認権限が向こうにある以上、まずは契約書で「ドメインの扱い」を確かめるところからです。契約の定め方によっては、扱いが変わることもあります。

揉めそうなときの段取りは保守契約を解約する手順 を、「著作権があるから」と言われたときは著作権を盾に解約できないは本当か を参考にしてください。契約や権利の判断が必要なときは、弁護士などの専門家に相談しましょう。

認証コード(AuthCode)を出してもらえないとき

移管には認証コードが要ります。.comなどについて、ICANNは管理会社に次のことを求めています。(出典: ICANN「Transfer Policy」 )

.comなどの認証コードのルール
  • 登録者が自分で取得できない場合:管理会社は、請求から5暦日以内に渡さなければならない
  • 支払いをめぐる争い:それだけを理由に、認証コードの提供やロックの解除を拒んではならない

ただし、この義務の相手は登録者です。名義が制作会社なら、発注者にそのまま当てはまるとは言えません。.jpでは、登録者(または委任された人)が、今の指定事業者を通じて認証コードを申請します。(出典: JPRS「指定事業者の変更」 )

jun_one39 Xの投稿より
ホームページ管理会社を解約してドメイン移管手続き取ろうとしたらauthcode発行するのに55,000円かかるって言われたからドメイン移管を諦めた ホームページ制作会社はよく選んだ方がいい 7年前の自分に言い聞かせてやりたい
Xで元の投稿を見る

この方のドメインが誰の名義で、どの種類だったのかはわかりません。ですから、上のルールに当てはまるかどうかは断定できないでしょう。金額もこの方の例で、相場ではありません。

認証コードを出してもらえない、発行に高い手数料を言われた、という似た相談は私も受けたことがあります。諦める前に、まず名義とドメインの種類を確かめてください。名義が自社なら、使えるルールがあります。

まとめ
  • 名義はWHOISか管理画面で確かめる。表示が伏せられていることもある
  • 移管を承認できるのは登録者。名義が制作会社なら、契約の確認と話し合いから
  • .comなどは、登録者が自分で取得できない場合、請求から5暦日以内に認証コードを渡すルールがある

名義が自社だと確かめられたら、あとは順番の問題です。

ホームページのドメイン移管の手順|止めない順番

名義はうちの会社でした。ここから先は、何から手をつければいいですか?
まず材料を集めましょう。それから、サイトとメールを止めない順番を決めます。

移管の前に集めておくもの

ここからは、名義が自社の場合の手順です。名義が制作会社だった方は、契約の確認と話し合いから始めてください。

最初に、手元にそろえておきたいものです。

移管の前にそろえるものを3つに分類した図。「ドメイン」(管理画面のログイン情報・名義・認証コードと有効期限)/「つなぎ先」(DNS設定・メールの受信先)/「サイトと契約」(サイトのデータ・今のサービスの契約期限と停止日)
移管の前にそろえるもの
  • ドメイン会社の管理画面のログイン情報
  • 登録者(名義)の確認結果
  • 認証コードと、その有効期限
  • 今のDNS設定(ネームサーバーと、各レコードの中身)
  • メールをどのサーバーで受けているか
  • サイトのデータ(文章・写真・ファイル)
  • 今のサービスの契約期限と、停止日

ログイン情報を、社内の誰も知らなかった。そんなこともありました。早めに確かめておくと、後で慌てずに済みます。

inusensei00 Xの投稿より
医院HPを業者管理から切り替える時
Xで元の投稿を見る

私から業者から依頼したもの

・ドメイン管理のログイン情報 ・移管用の認証コード ・DNS設定情報 ・メールの引き継ぎ方法 ・写真や文章などのデータと利用可否 ・現HPとメールの停止日

業者に頼むものが、そのまま移管の準備リストになっています。特に「写真や文章の利用可否」と「停止日」は、早めに確かめておきたい項目です。停止日を先に聞いておけば、切り替えの締め切りから逆算して動けます。

移管の申し込みそのもので、サイトは止まるのか

結論から言うと、移管の手続きそのもので、必ず止まるわけではありません。さくらインターネットは、移管しても今のネームサーバーの情報は引き継がれ、サイトやメールの利用には影響しないと説明しています。(出典: さくらのサポート情報「gTLDドメインの転入」 、さくらのサポート情報「サーバー移転ガイド」 )

ただし、同じ資料で、移管が終わったときに、移管元の会社がDNSの設定を消してしまう場合があるとも書かれています。(出典: さくらのサポート情報「サーバー移転ガイド」 )DNSに問題が起きれば、ドメインは使えなくなります。(出典: 総務省の資料(PDF) )

止まりうるのは「切り替え」と「解約」のとき
移管元のDNSサービスやサーバーを解約したり、ネームサーバーを切り替えたりするときは、サイトやメールが止まることがあります。全社共通で止まらないと保証するルールは、今回の調査では見つかりませんでした。

移管の流れ(ロック解除→認証コード→申し込み→承認→完了)

ドメイン移管の流れを5ステップで示した図。①今の管理会社でロックを外す②認証コードを受け取る③移管先に申し込む④承認メールに応える⑤移管完了、と矢印でつなぐ

各社の公式手順をまとめると、流れはおおむね次のとおりです。(出典: さくらのサポート情報「gTLDドメインの転入」 、さくらのサポート情報「JPドメインの指定事業者変更」 、JPDirect「JPドメインの移管手順」 、お名前.com「他社への移管条件」 )

ドメイン移管の流れ
  1. 今の管理会社で、移管を止めるロックを外す(会社によっては公開代行も外す)
  2. 認証コードを受け取り、有効期限を確かめる
  3. 移管先の会社に申し込み、認証コードを入力して費用を払う
  4. 届いた承認のメールに応える(.jpは登録者が承認・不承認を答える)
  5. 移管完了の連絡が届く

私も移管の手続きをしてきましたが、承認メールを見落として移管が止まったこともあります。申し込んだら、迷惑メールのフォルダーまで確かめましょう。

日数や条件は、会社ごとに違います。2026年10月時点の各社の案内から、目安になるものを挙げておきます。

項目 各社の案内
.comの日数(さくら) 承認後5〜7日ほど(土日を除く。手順の中では「通常7日以内」とも案内)
.jpの日数(さくら) 指定事業者変更は、申請開始から1〜11日
申し込みの条件(お名前.com) 有効期限まで31日以上残っていること
移管後の有効期限(さくら) .comは、移管が終わると有効期限が1年延びる
移管後の有効期限(XServerドメイン) .jpは、移管元で複数年契約していても、WHOIS上の期限を超える分は引き継げない

(出典: さくらのサポート情報「gTLDドメインの転入」 、さくらのサポート情報「JPドメインの指定事業者変更」 、お名前.com「移管申請前のチェック」 、XServerドメイン「ドメイン管理の移転」 )

費用も会社ごとに異なり、料金改定もあります。さくらは2026年6月25日に.comなどの料金改定を発表し、11月4日から適用するとしています。金額は、申し込む時点の各社の料金表で確かめてください。(出典: さくら「料金改定のお知らせ」 )

名義の変更と移管は、どちらを先にするか(.comなどの場合)

ここは.comなど(gTLD)に限った話です。ICANNのルールでは、登録者を変えると、原則60日間はほかの会社へ移管できなくなります。

そのためICANNは、ほかの会社へ移すのが目的なら、登録者の変更より先に移管をするよう案内することを、管理会社に求めています。ただし、そのときも今の登録者の承認は要ります。会社によっては、事前の申し出でこの制限を外せる場合もあるようです。(出典: ICANN「Transfer Policy」 、お名前.com「登録者変更後60日以内の転出」 )

なお、ICANNの理事会は2026年6月7日、新規登録後や移管完了後の移管の制限を30日にすることなどを含む見直しを採択しました。ただ、いつから適用されるかは確定していません。「もう30日になった」わけではないので注意しましょう。(出典: ICANN理事会決議(2026年6月7日) )

DNSとメールの切り替えは最後に、旧サービスの解約はもっと後で

サーバーも一緒に移すときは、移管とサーバーの引っ越しのどちらを先にするかを決めます。実は、この順番は会社によって勧め方が違います。

会社 勧めている順番 理由
エックスサーバー ドメインの期限に余裕があれば、サーバーの引っ越しが先 移管の申請中はネームサーバーを変えられず、移管に7〜10日ほどかかるため
さくらインターネット 新サーバーの契約→移管→メール設定→Webデータの移行→SSL→ネームサーバー変更 新しいサーバーを先に用意してから移すため

(出典: エックスサーバー「サーバー移転手順」 、さくらのサポート情報「サーバー移転ガイド」 )

ただし、さくらも、移管元が移管完了時にDNSの設定を消す可能性があるなら、移管とネームサーバー変更のどちらを優先するか検討するよう書いています。順番を決めるときは、「移管元のDNSは移管後も使えるか」「移管中にネームサーバーを変えられるか」を、今の会社に確かめておきましょう。

どちらにも共通するのは、新しいサーバーを先に用意して確かめ、DNSの切り替えはその後、旧サービスの解約は一番最後という流れです。

切り替えの進め方
  1. 今のDNS設定(ネームサーバーと各レコード)を控えておく
  2. 新しいサーバーで、サイトとメールが動くかを確かめる
  3. ネームサーバー(またはDNSの設定)を切り替える
  4. サイトの表示と、メールの送受信を確かめる
  5. 旧サーバーへのアクセスがなくなったのを確かめてから、旧サービスを解約する
サイトとメールを止めない切り替えの時間軸の図。新サーバーの準備と確認→DNS切り替え→新旧の両方が動く重なりの期間→旧サーバーへのアクセスがなくなったことを確認→旧サービスの解約、の順を横に並べる

DNSを切り替えても、新しい設定が行き渡るまでには時間がかかります。エックスサーバーは「数時間〜最大24時間程度」、さくらは「一般的に数時間程度」と案内しています。その間は、新旧どちらのサーバーにアクセスが届くかわかりません。(出典: エックスサーバー「サーバー移転手順」 、さくらのサポート情報「サーバー移転ガイド」 )

だから、旧サーバーはすぐに解約せず、新旧の両方でサイトを動かし、メールも両方から受け取ります。Googleも、旧サーバーへのアクセスがなくなったことを確かめてから止める手順を示しています。(出典: Google検索セントラル「URLを変更しないサイト移転」 )

私も、切り替えのときにサイトやメールが一時的に止まった経験があります。重なりの期間をとるのは、そのためです。

メールは、切り替えの前にバックアップを取っておきましょう。メールソフトの受信の方式には、メールを端末に取り込む「POP」と、サーバーに置いたまま見る「IMAP」があり、さくらは方式ごとに次のように案内しています。(出典: さくらのサポート情報「サーバー移転ガイド」 )

受信の方式 メールが残る場所 移す前にすること・注意点
POP パソコンなどの端末 端末にメールが残るので、残っているかを確かめておく
IMAP サーバー POPに変えるか、メールソフトでパソコンに保存しておく

サーバーを移すと、過去のメールが新しいサーバーでは見られなくなることがあります。作る側にとっては想定内のことでも、事前に説明がないと、連絡が来た時点でもう見られない、ということになりかねません。

移管が終わったら、移管先の管理画面で、有効期限と自動更新の設定を確かめてください。移管元の自動更新が引き継がれる、という共通のルールは今回の調査では確認できませんでした。お名前.comも、ドメインを更新しないとサイトの表示やメールの送受信ができなくなると案内しています。(出典: お名前.com「ドメイン更新期限のご案内」 )

ドメインかサーバーの更新忘れで「サイトが見られない」という相談は、何度も受けています。自動更新にしていないと、こうしたことが起きてしまいます。

サイトのデータ(文章・写真・ファイル)を受け取る

ドメインを移しても、サイトのデータは移管ではついてきません。データの受け渡しの範囲や費用を定めた公的な資料は、今回の調査では見つかりませんでした。どこまで渡してもらえるかは、契約書で確かめるのが基本です。

受け取っておきたいのは、次のものです。

前の業者から受け取るもの
  • 文章と写真:あわせて、そのまま使ってよいかも確かめる
  • サイトのファイル一式:画像やページのファイルなど、サーバーに置いてあるもの
  • WordPressの場合:ファイルに加えて、データベースも必要

WordPressのサイトをほかのサーバーへ移すには、ファイルとデータベースの両方をバックアップするよう、WordPress公式は案内しています。管理画面の「ツール→エクスポート」で書き出せるのは投稿・固定ページ・コメント・カテゴリーなどで、サイトのファイル一式を書き出す機能ではありません。(出典: WordPress公式「Migrating WordPress」 、WordPress公式「Tools Export screen」 )

前の業者から受け取るデータの整理図。文章・写真(利用してよいか)/サイトのファイル一式/WordPressならデータベースも、の3つの箱と、標準のエクスポートで出せる範囲を示す

前の業者からデータを受け取って、載せ替えたこともあります。サイトを作り直して移す場合は、画像のリンク切れに気をつけてください。以前アメブロからWordPressへ数百の記事を移したときも、一番大変だったのがこれで、画像のURLを一括で置き換えて直しました。

ドメインを移すだけなら、こうした作業は起きません。作り直さずに見た目そのまま移したい場合は、ホームページの載せ替えとは?作り直さず見た目そのまま移す方法と費用 を参考にしてください。

私が手がけた花文字のサイトでも、サーバーを移すときに、ドメインごと移しました。名義が自分にあり、順番を守れば、移管そのものは落ち着いて進められる作業です。

ホームページのドメイン移管は「名義を確かめて、止めない順番で」

ドメイン移管で迷ったら、まず4つに分けて考えてください。名義・管理会社・DNS・サーバーです。

まとめ
  • 最初に名義(登録者)を確かめる。移管を承認できるのは登録者
  • 名義が自社なら、ロックを外して認証コードを受け取り、移管を申し込む
  • 移管とサーバーの引っ越しの順番は、移管元のDNSの扱いを確かめて決める
  • DNSの切り替えは最後に。旧サービスの解約は、新旧の重なりを確かめてから
  • データの受け渡しは契約次第。移管ではついてこない

名義が制作会社だった、認証コードを出してもらえない、順番に自信がない。そんなときは、ひとりで抱え込まずに相談してください。今の契約や設定を見たうえで、どこから手をつけるかを一緒に整理するセカンドオピニオンのご相談 を受け付けています。

ホームページの保守契約を解約する手順は?揉めずに乗り換える注意点
あわせて読みたい
ホームページの保守契約を解約する手順は?揉めずに乗り換える注意点
ホームページの保守契約・管理費を解約したい方へ。解約の手順(契約確認・予告期間・違約金)と、ドメインやデータを自社に確保して揉めずに乗り換えるための注意点、解約後の受け皿までを制作現場の視点で案内します。
ページを見る →

ホームページのドメイン移管に関するよくある質問

Yahoo!知恵袋やGoogleの検索で、実際にあった質問から選んで答えます(「」内は質問の書き出しです)。

Q
「ドメイン移管後、ホームページはどうなるの?」
▼
A
管理会社が変わるだけで、URLもサイトの中身もそのままです。サイトがどのサーバーで表示されるかは、DNS(ネームサーバー)の設定で決まります。 旧サーバーにデータが残っていても、DNSの向き先が新しいサーバーに変われば、そちらが表示されます。切り替えの直後は、新旧どちらが表示されるかが一時的に定まらないことがあります。(出典: 総務省の資料(PDF) 、さくらのサポート情報「サーバー移転ガイド」 )
Q
「ドメイン移管を伴うホームページの引越しで、SEOの影響を極力避ける移転方法を教えて下さい」
▼
A
URLを変えない移転なら、Googleは「ホスティングの変更」として扱い、新しい環境を準備・確認してからDNSを切り替える流れを示しています。Search Consoleのアドレス変更ツールは、この場合は使いません。 ドメイン名そのものを変える場合は別の手順で、旧URLから新URLへの恒久的なリダイレクト(301)と、Search Consoleでのアドレス変更が必要です。どちらの場合も、順位が保たれる保証はありません。(出典: Google検索セントラル「URLを変更しないサイト移転」 、Google検索セントラル「URLを変更するサイト移転」 、Search Consoleヘルプ「アドレス変更ツール」 )
Q
「ドメインを取り戻したいです。ホームページ制作業者から移管手続きを断られています。co.jp…」
▼
A
まず、WHOISで登録者が誰になっているかを確かめてください。登録者が自社なら、今の指定事業者を通じて認証コードを申請できます。登録者が制作業者なら、承認の権限は向こうにあるため、契約の中身を確かめたうえでの話し合いになります。 どちらに当たるか判断がつかないときは、契約書と調べた結果を持って、弁護士などの専門家に相談しましょう。(出典: JPRS「指定事業者の変更」 、ICANN「Transfer Policy」 )
免責事項
本記事の手続き・日数・条件は、2026年10月15日時点でJPRS・ICANN・各社の公式情報から確認したものです。ルールや料金、各社の条件は変わることがあるため、実際の手続きの前に、利用している会社の最新の案内を確かめてください。ドメインの権利の帰属は契約によって異なり、本記事は法的な助言ではありません。個別の契約や権利の判断は、弁護士などの専門家に確認してください。